猫は、急がない
朝でも、昼でも、
猫はいつも同じペースで動いている。
窓の前に座り、
外の景色をじっと見ている。
鳥が飛んでも、
風が揺れても、
猫はただ静かに見ている。
何かを急いでいる様子はない。
人は、いつも急いでいる。
朝は時間に追われ、
昼は仕事に追われ、
夜になっても、まだ何かを考えている。
でも猫は違う。
今いる場所で、
今の時間を、
そのまま過ごしている。
疲れたら眠り、
起きたら少し歩き、
また窓の外を見ている。
ただ、それだけだ。
猫は、急がない。
それでも一日はちゃんと過ぎていく。
猫と暮らしていると、
そんな当たり前のことに気づく。
急がなくてもいいこと。
立ち止まってもいいこと。
窓の外を見ている猫の横で、
人は少しだけ深く息をする。
猫は、何も言わない。
でもその静かな時間の中で、
人はふと気づく。
もしかすると、
急ぎすぎていたのは
人間のほうだったのかもしれない。
