静けさの中では、すでに始まっている

静かな時間は、
何も起きていないように見える。

音がなく、
動きがなく、
変化が止まっているように見える。

けれど実際には、
その静けさの中で、すでに始まっているものがある。


人は、何かが起きているときに
「始まり」を感じる。

音が鳴る。
言葉が発せられる。
誰かが動き出す。

だから、静けさは
「その前段階」
あるいは
「何も起きていない状態」
として扱われがちだ。

けれど、それは
外側から見たときの話だ。


静けさの中では、
外に向かって起きる出来事が減る代わりに、
内側での準備が進んでいる。

思考が整理され、
感覚が研ぎ澄まされ、
余計なものが剥がれていく。

何かを「考えている」わけではないのに、
何かが「整っていく」。

その状態に入ると、
人は無意識に呼吸を深くする。


風が通る場所では、
風そのものは目に見えない。

けれど、
カーテンが揺れ、
空気が変わり、
肌の感覚が少し変わる。

風は、
「ここにいる」と主張しない。

ただ通り、
通ったあとに、
場の状態だけを変えていく。

静けさも、同じだ。


静けさは、
何かを止めるものではない。

むしろ、
不要なものが止まったあとに
本当に必要なものだけが
動き出すための環境だ。

焦りが消え、
説明が消え、
理由が消えたあとに残るもの。

そこから、
選択や決断は
自然に生まれる。


良い判断は、
考え抜いた末に出てくるとは限らない。

多くの場合、
「もう考えなくていい状態」になったときに
すっと現れる。

それは突然ではなく、
ずっと前から
静けさの中で
準備されていたものだ。


何も置かれていない場所。
音も、言葉も、意味も、
いったん脇に置かれた状態。

その空白は、
空っぽではない。

静けさの中では、
すでに始まっている。

気づく前から、
答えは、
そこに向かって動いている。

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